「好きなことを仕事にしたいのに、何が好きなのか分からない」
「やりたい仕事が見つからないまま、時間だけが過ぎていく」
「今の仕事を続けるのは苦しい。でも、ほかに何ができるのか分からない」
SNSを開けば、好きなことを仕事にしている人や、自分らしく働いている人の姿が目に入ってきます。
そのたびに、「私には夢中になれるものがない」「結局、何も行動できていない」と、少し焦ったり、落ち込んだりしてしまう。そんな経験、ありませんか。
でも、好きなことを仕事にできないからといって、あなたに向いている仕事がないわけではありません。
もしかすると今必要なのは、「好きな仕事」を必死に探すことではなく、
自分が心地よく働ける条件を知ることなのかもしれません。
「好きなことを仕事にする」という言葉には、たしかに魅力があります。毎日ワクワクしながら働けて、仕事なのに苦痛を感じない。自分らしさを生かしながら、誰かの役にも立てる。そんな働き方ができたら、素敵ですよね。
けれど、この言葉を強く意識しすぎると、かえって仕事を選べなくなってしまうことがあります。
「心から好きと言えるものじゃなければ、仕事にしてはいけない」 「夢中になれる仕事を見つけなければ、転職しても意味がない」 「好きなことすら分からない私は、自分のことを何も理解できていない」
そんなふうに、自分を追い詰めてしまうからです。
そもそも「好き」には、いろいろな形があります。最初から情熱を持っていたこともあれば、続けるうちに得意になり、誰かに喜ばれたことで好きになることもある。趣味として楽しみたいこともあれば、仕事として関わるからこそ面白いと感じることもあります。
だから、今すぐ「これが私の好きな仕事です」と答えられなくても大丈夫。好きなことが分からない状態は、何もないのではなく、まだ自分の気持ちを丁寧に見つけている途中なだけです。
たとえば、人と話すことが好きで接客の仕事を選んだとします。けれど、売上目標に追われ、休憩も取れず、職場の人間関係にも気を遣い続けていたら、好きだったはずの「人と話すこと」まで嫌になってしまうかもしれません。
文章を書くことが好きでも、毎日決められた本数を短時間で書き続ける環境では苦しくなる人もいます。誰かを支える仕事が好きでも、相手を優先しすぎて自分の時間や気力を失ってしまえば、続けることは難しくなっていく。
仕事の内容が好きかどうかだけでなく、
どのくらいのペースで働くのか
一人で進めるのか、チームで進めるのか
人とどのくらい関わるのか
どの程度、自分で決められるのか
何を評価される環境なのか
こうした「働き方」の部分も、実はとても大切です。どれだけ興味のある仕事でも、働き方が合わなければ苦しくなります。
反対に、最初は「大好き」とまでは思っていなかった仕事でも、自分に合う環境で、自分の強みを生かしながら働ければ、少しずつ好きになっていくこともあるのです。
自分に向いている働き方は、どうすれば見つけられるのか。ここでは、考えるきっかけになりそうな視点を4つ紹介します。
やりたいことが分からないときは、無理に好きを探さなくても大丈夫です。まずは、今の仕事で何がつらいのかを考えてみてください。
常に誰かに見られている環境が苦しい。急な連絡や予定変更が多いと疲れる。数字だけで評価されるのがつらい。人の感情に気を遣い続けると消耗する。自分の意見を言えない雰囲気が苦しい——こうしたつらさの中には、あなたが働くうえで大切にしたい条件が隠れています。
「人と関わる仕事が向いていない」と思っていたけれど、実は人との関わり自体ではなく、大人数の中で常に気を遣う環境が苦手だっただけかもしれない。「仕事そのものが嫌い」と思っていたけれど、実は自分で進め方を決められないことが苦しかっただけかもしれない。
こうしてつらさを細かく分けていくと、問題は仕事の内容ではなく、環境や働き方のほうにあったと気づくことがあります。
向いていることは、自分にとって当たり前すぎて、強みだと気づきにくいものです。
人の話を聞いて、気持ちを整理する。分かりにくい情報を、分かりやすくまとめる。困っている人に早く気づく。ミスがないように丁寧に確認する。相手の立場を想像して準備する。コツコツと一人で作業を続ける——こうしたことも、立派な強みです。
「こんなことは誰にでもできる」と思うかもしれません。でも、あなたが自然にできることを、すべての人が同じようにできるわけではないのです。
これまで周りから感謝されたことや、頼まれやすかったことを思い出してみてください。そこに、自分に合う仕事や役割のヒントが隠れているかもしれません。
「好きなこと」と聞かれると、特別な情熱や才能が必要な気がしてしまいます。そんなときは、「比較的苦にならないこと」を探してみましょう。
ほかの人が大変そうにしていても、自分はそれほど苦にならない。気づけば長く続けている。終わったあとに、疲労だけではなく小さな満足感が残る。そんなことはありませんか。
仕事は、毎日すべての時間を楽しく過ごせるものではありません。だからこそ、強い「好き」だけでなく、「これなら続けられそう」「終わったあとに少し嬉しい」という感覚も大切なのです。
向いている仕事は、強烈なワクワクではなく、静かな心地よさの中に見つかることもあります。
職業名から考えるのが難しいときは、自分がどのような1日を過ごしたいのかを想像してみてください。
朝は何時ごろ起きたい? どこで働きたい? 一人で過ごす時間はどのくらい必要? 人とはどのくらい関わりたい? 仕事が終わったあと、どのくらいの余力を残したい?
ここで大切なのは、世間から見て立派な1日を考えることではありません。「もっと成長できる環境を選ぶべき」「正社員でなければ安心できない」——そういう正解はいったん横に置いて、自分の心と体が穏やかでいられる1日を考えてみましょう。
仕事だけでなく、休む時間や家族との時間、趣味の時間まで含めて考えることで、自分に合う働き方が少しずつ見えてきます。
真面目で責任感が強い人ほど、求められたことに応えようとします。周りに迷惑をかけないように頑張り、苦手なことも努力で補い、「できる人」として振る舞ってきたのではないでしょうか。
その結果、本当は苦しい働き方なのに、「できているのだから、向いているはず」「周りから評価されているのだから、辞めるのはもったいない」と思ってしまうことがあります。
でも、できることと、無理なく続けられることは同じではありません。頑張ればできる。期待されれば応えられる。それでも、毎日心をすり減らしているなら、その働き方があなたに合っているとは限らないのです。
仕事選びでは、「できるか」だけでなく、その働き方を続けた先で、自分を好きでいられるかも考えてみてください。
向いている働き方は、頭の中で考えているだけでは分からないこともあります。興味のあることを少し調べてみる。小さく学んでみる。副業や単発の仕事で試してみる。実際に働いている人の話を聞いてみる。
そうした小さな行動を通して、「これは思っていたより楽しい」「内容は好きだけれど、仕事にするのは違うかも」と、自分の感覚が少しずつ分かってきます。
最初から正解を選ぶ必要はありません。一度選んだ道を、ずっと続けなければならないわけでもない。働き方は、今の自分に合わせて選び直していいものです。
好きなことを仕事にできないと悩んでいると、自分には特別な才能も情熱もないように感じてしまうことがあります。
けれど、本当に必要なのは、誰かに誇れる夢を見つけることではありません。自分の心と体を置き去りにせず、自分にとって大切なものを守りながら働けること。得意なことを生かせること。無理をしすぎずに続けられること。仕事以外の時間にも、自分らしくいられること。
それも十分に、あなたに向いている働き方です。
もし今、「好きなことが分からない」と感じているなら、すぐに答えを出そうとしなくて大丈夫です。まずは今日、こんな質問を自分に投げかけてみてください。
「私は、どんなふうに働けたら少し心が軽くなる?」
大きな夢ではなくても構いません。静かな場所で働きたい。急かされず、自分のペースで進めたい。誰かの役に立っている実感がほしい。仕事のあとにも、笑える余力を残したい。
その小さな本音が、あなたに向いている働き方を見つける最初の一歩になります。
KIKIchatでは、周りの正解ではなく、自分の本音を言葉にしながら、「自分で選べる私」を育てる自己理解を大切にしています。
好きなことが分からなくても、進みたい道が決まっていなくても大丈夫。答えを持っていない自分を責めるのではなく、今の自分の声を一つずつ聞いていきましょう。
あなたに合う働き方は、誰かの正解の中ではなく、あなた自身の心地よさの中にあります。
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